ご訪問いただきありがとうございます。まず、東広島市河内町に位置する歴史深い篁山(たかむらやま)と、その頂きにある竹林寺(ちくりんじ)をご紹介します。
この竹林寺は、西暦730年に行基上人の関わりにより作られた、長い歴史を誇るお寺です。さらに、小倉百人一首に登場する人物である小野篁(おののたかむら)との深い関連があるため、現在は【篁山竹林寺(たかむらやまちくりんじ)】として知られています。
今回は、この篁山竹林寺へと続く登山道をご案内します。標高535メートルのこの登山道は、比較的緩やかな傾斜で、かつては小学生のハイキングコースとしても利用されていました。JR河内駅から篁山竹林寺までの距離は約5km、徒歩で約2時間の道のりです。トレイルランにもおすすめです。秋には道沿いの紅葉、春には新緑が楽しめ、歴史を感じさせる篁山竹林寺の周辺は、日常を忘れさせるような特別な雰囲気があります。そして、頂上からの景色は、訪れる価値のある絶景を提供してくれます。ぜひ一度、大切なご家族やご友人と訪れてこの歴史や自然を体験してみてください。
JR河内駅から頂上の篁山竹林寺まで〜登山ルートのご紹介
登山情報〜登山する前の目安情報
登山道にチャレンジする前に目安の情報を確認しておきましょう。
合計距離 | 5km JR河内駅〜篁山竹林寺 |
最高点の標高 | 535m 篁山山頂 |
最低点の標高 | 100m 河内駅周辺 |
体力レベル | 小学校低学年〜 |
目安時間 | 往復4〜5時間 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
- JR河内駅を出発 → (5分)
- 駅から西へ移動し、高架下をくぐる → (5分)
- 道路を横断し、橋を渡る → (15分)
- 川沿いを進む → (10分)
- 緑の橋から山側へ進む → (10分)
- 杉森神社へお参り → (10分)
- 団地内を進む → (5分)
- 登山道へ入る → (40分)
- 公衆トイレから最後の山道に進む → (30分)
- 篁山竹林寺へ到着 → (10分)
- 竹林寺から展望台へ → (10分)
- 帰路〜登山道分かれ道を降りる〜JR河内駅へ戻る → (80分)
- 車道の横断に注意
- 登山道の途中で車道を横切る場所があります。安全に注意して横断してください。
- トイレの利用について
- トイレは山頂前の【公衆トイレ】以外に設置されていません。出発前に、JR河内駅でトイレをご利用ください。
- 所要時間の確認
- 往復で約4〜5時間を要します。時間に余裕を持って計画を立て、無理のないペースで登山を楽しんでください。
- ゴミの持ち帰り
- 環境を保護するため、ゴミは全て持ち帰りますようお願いいたします。自然を大切にし、次に訪れる人のためにもきれいな状態を保ちましょう。
これらの点に注意して、安全かつ快適な登山をお楽しみください。
篁山登山道の各ポイントを紹介
JR河内駅をスタート
紹介する登山道のスタート地点はJR河内駅になります。時刻表はこちらを参照下さい。到着後は駅舎内の看板や資料、写真などでこれから歩く道程の情報を知ることができます。
河内町は、かつて林業で栄えた歴史を持つ地域です。この町の中心に位置する河内駅は、切り出された木材を運搬する重要な役割を果たしていました。駅周辺には多くの宿舎が立ち並び、かつては活気に満ちた場所でした。駅舎内には、その栄えた時代の写真が展示されており、訪れる人々に当時の様子を教えてくれます。現在は静かな街となっていますが、その歴史的な面影は今も町の至る所に残っています。
JR河内駅周辺について詳しく見る
JR河内駅前の有料駐車場
河内駅前には有料の駐車場があります。車で来町する場合はこちらに駐車することができます。
買い物ができる「Aコープこうち店」
河内町で食品等の買い物は、この場所で行えます。道中に買い物ができる場所はないので、必要な場合はこちらで済ませるとよさそうです。店舗情報はこちら。
食事ができる「わたなべ食堂」
お好み焼き屋さん「イチカバチカ」
駅から東へ歩き、高架下をくぐる
河内駅から東に約200メートル進むと、登山道を案内する看板が設置されています。この看板を目印に、線路の高架をくぐって進みます。注意点として、この高架下の通路はGoogleマップには表示されていないため、事前に看板の位置を把握しておくとスムーズに進むことができます。
道路を横断、橋(城渡橋)に向かいます
高架下の通路を抜け、道路に出た後は車道を横断します。この横断地点には横断歩道が設置されていますが、信号機はありません。特にお子様を連れての横断の際には、車の通行に十分注意して安全に横断してください。横断後、大きな川にかかる橋が見えてきます。橋のたもとにある「錦鯉の里」の看板が目印です。
信号機のない道路を横切ります。横断歩道がありますが、横断の際には十分注意してください!
錦鯉の里について詳しく見る
鯉が集まる不思議な場所「錦鯉の里」
「錦鯉の里」と呼ばれるこの町のスポットは、その由来に特別な背景があります。橋(城渡橋)の下に自然発生的に大量の錦鯉が集まるという珍しい現象が見られることから、町としてこの鯉を大切に守り、スポットとして紹介しています。かつての大豪雨により鯉が居なくなったと思われましたが、不思議なことに鯉は再びこの場所に戻ってきています。この自然の驚異と町の愛情が合わさった「錦鯉の里」は、訪れる人々に感動と癒しを与えてくれます。
橋(城渡橋)を渡り終えたら川沿いに進む
「錦鯉の里」から城渡橋を渡ると、登山道を案内する看板があります。ここからは川沿いに進んでいきます。この道では、河内町の背後に広がる新緑や紅葉の美しい山々を眺めながら歩くことができます。また、このエリアは野鳥観察にも適しており、自然の美しさを感じながらゆっくりと散策することができます。自然の中でのんびりとした時間を楽しむことができるスポットです。
篁橋(緑の橋)が目印、川沿いから山側へ道を進む
城渡橋の登山道看板スポットから川沿いに約400m進むと、緑色の橋が見えてきます。このスポットには登山道を案内する看板が設置されており、ここから山へ向かって進路を変更します。この緑の橋は「篁橋」と呼ばれており、過去には現在よりもさらに大きな橋が架かっていたと伝えられています。
篁橋跡について詳しく見る
その昔は巨大な橋が掛かっていた「篁橋跡」
現在、川に架かる数ある橋の中の一つとして存在するこの橋は、かつては町の主要な巨大な橋だったと言われています。この橋の歴史的な足跡は、橋から山側に約50メートル歩いた場所に残されています。橋桁が存在したとされる場所には石碑が建てられており、そこからはかつての橋の壮大さを偲ぶことができます。この石碑は、過去の橋の規模と重要性を物語る貴重な証です。
河内八十八箇所について詳しく見る
河内町各所に点在する参拝スポット
河内町には、「河内町八十八箇所」と呼ばれる多くの参拝スポットが存在します。この名称は、有名な四国八十八箇所にちなんでおり、町内の各所に参拝場所が点在しています。これらのスポットは、今回紹介する登山道だけでなく、河内町全体に広がっており、毎年「河内町八十八箇所」を巡るイベントも開催されています。各参拝スポットは地元住民によって自主的に保護・管理されており、住民の地域に対する深い愛着を感じます。この河内町八十八箇所では、地域の文化や歴史を肌で感じる貴重な体験をすることができます。
杉森神社でお参りをする
篁橋跡の石碑からさらに約300メートル進むと、杉森神社に到着します。この神社は新緑や紅葉の美しさで知られるだけでなく、野鳥観察の隠れた名所としても人気があります。四季折々の変化に富んだ自然を、思わず写真に収めたくなるような場所です。杉森神社は、自然の豊かさと歴史的な魅力が共存する、魅力的な場所です。
杉森神社について詳しく見る
新緑や紅葉が楽しめるパワースポット「杉森神社」
杉森神社は、パワースポットとしても知られる特別な場所です。新緑や紅葉に囲まれたこの美しい神社は、その佇まいから歴史の深さを感じさせます。日本の古典的な国史書「日本三代実録」に記述されていることから、この神社の歴史は貞観9年(867年)にまで遡るとされています。長い年月を経てもなお、訪れる人々に静かな力と安らぎを与える場所として、存在し続けています。
詳しい由来については杉森神社HPへ
集合団地「つつじヶ丘」に入り、登山口を目指します
杉森神社から約300メートル進むと、「つつじヶ丘」と呼ばれる集合団地の入口に到着します。ここには登山道を案内する看板が設置されており、いくつかの登山道ルートが示されています。今回紹介するルートはその中で「3.5km」と表示している、つつじヶ丘団地を通るコースとなっています。
つつじヶ丘を通り過ぎて山道に入ります
集合団地「つつじヶ丘」への道を進むと、約400m先に登山道の案内看板が見えてきます。この看板が指し示す山側の道が、登山道の入り口です。ここから先の道は舗装されてはいますが、傾斜のある山道を通る事となります。一部の区間では柵が設けられていない崖があるため、特に注意が必要です。次のスポットの公衆トイレまでは約2km程の道のりとなります。
花王の滝について詳しく見る
自然に積み重なった石が生み出した、水の流れ道「花王の滝」
「つつじヶ丘」集合団地から奥へと進む登山道は、豊かな自然に恵まれており、多様な景色や動植物を観察することができます。この道の途中に、自然発生した「花王の滝」というユニークなスポットがあります。この滝は通常、水が流れていない事が特徴で、雨が降った後にのみ水の流れを見ることができます。雨上がりに現れる滝の姿は、訪れる人々に雨の後の特別な景色を提供し、自然の不思議な美しさを感じさせます。
また、「花王」という名前は目的地である「篁山竹林寺」に由来しています。篁山竹林寺にはその由来が説明されている看板がありますので、訪れた際にはぜひご一読ください。
公衆トイレ〜後半の登山道へ
「つつじヶ丘」奥に位置する登山道の頂上近くには、公衆トイレが設置されています。このエリアは、篁山竹林寺への車でのアクセスルートや、広島空港から河内町へと続く通り道としても機能しているため、山の中ではありますが車の往来が比較的多い場所です。ここで休憩をとり、残りの登山道へと向かうことができます。なお、「つつじヶ丘」からこの公衆トイレに至るまでの道は、車道を兼ねた登山道となっていますが、公衆トイレから篁山登山道の目的地に至る道は、舗装されていない山道を歩きます。この区間では、自然の中を歩く登山の醍醐味を味わうことができます。
篁山竹林寺へ到着
公衆トイレからの舗装されていない登山道を登った先には、目的地である「篁山竹林寺」があります。篁山竹林寺は国の重要文化財として指定されており、行基上人(668年‐749年)が建立したとされる由緒正しいお寺です。また、小倉百人一首に登場する「小野篁(おののたかむら)」に縁のある場所としても有名です。
必ず寄るべきスポット篁山展望台
「篁山竹林寺」の敷地内には、「篁山展望」と記された地点があり、そこから篁山展望台へと向かうことができます。展望台からの眺望は素晴らしく、篁山竹林寺を訪れた際はぜひ足を運んでみてください。山頂では思いもよらない史跡を確認できます。これらの場所は、篁山竹林寺の訪問をより豊かで意味深いものにしてくれます。
竹林寺三重塔について詳しく見る
阿弥陀如来と失われた三重塔 篁山展望台の秘話
篁山展望台からわずかに登った先には、阿弥陀如来像があります。この場所にはかつて歴史的に重要な「三重塔」が建っていましたが、度重なる修理と修復により移築されました。
三重塔は現在、東京都文京区にあるホテル「椿山荘」の庭園にあります。台風で崩壊した三重塔を見かねた藤田氏(現在の株式会社フジタの前身)が、東京に持ち帰り復旧させた後に椿山荘の庭園に移築しました。東京に行く機会があれば、ぜひ訪れてみて下さい。
この歴史的な建造物の移動の背景には、保存と維持への強い想いが感じられます。東京の椿山荘でその姿を見ることは、篁山竹林寺とその歴史に対する深い理解を深める素晴らしい機会となるでしょう。
頂上からの帰り道〜登山道途中からの分かれ道
頂上からの帰り道は、基本的に行きと同じ道をそのまま戻るコースとなりますが、今回紹介するルートには途中で分岐があります。公衆トイレから「つつじヶ丘」へと向かう山道の途中に、下り専用のルートが設けられています。この分岐点には案内看板があり、それを目印に進むと緑色の橋(篁橋)に出ます。この橋を渡った後はきた道を戻り、JR河内駅で今回の旅は終了となります。
公衆トイレから分かれ道までのルート
帰り道中の楽しみについて詳しく見る
河内町オリジナルマンホール
河内町には独自のデザインが施されたマンホールカバーがあります。行きの道中でこれを発見した方もいるかもしれませんが、もしまだ見ていないという方は、帰り道にぜひ探してみてください。このユニークなマンホールカバーは、河内町の特色を象徴する楽しい発見の一つです。帰路にそれを探すことで、旅の思い出にもう一つ楽しい要素を加えることができます。
豊かな自然、植物や野鳥を楽しむ
登山道を進む際、行きの道中だけでなく帰り道でも自然の美しさを楽しむことができます。特に午後から夕方にかけて登山をすると、陽が傾くにつれて太陽の光の差し込み角度が変わり、異なる景色を楽しむことができます。この時間帯の光の変化は、山の風景に特別な魅力を加え、一日のうちに移り変わる自然の美しさを感じさせてくれるでしょう。帰り道も、そんな変わりゆく光と影の中で、新たな発見を楽しんでください。
篁山(たかむらやま)竹林寺への登山道体験記
こんにちは!ここではyou愛sunこうち関係者で実際に巡った、篁山登山道の体験記をお届けします。
JR河内駅をスタート地点に、篁山竹林寺へと続く登山道を辿りました。この記事を書いている私も実際に歩いてみて、河内町の魅力をしっかりと堪能(たんのう)させていただきました!
昔は小学生のハイキングコースだった、ということもあり気軽な気持ちで参加しましたが、運動不足ということもあり歩いた後は(ほどよく)筋肉痛に…子供さんと一緒に歩くお父さんお母さんは、しっかりストレッチをして歩き始めて下さいね。翌日(か翌々日)に体に響きますよ……。
何かしら自由課題や体験日記などを考えている子供さんには、事前にしっかりとこの記事や関連ページを読んでいくことをおすすめします。どこに何があるかを調べてから登山道に臨むと、体験がより印象深くなります。
ぜひ事前確認とストレッチをして、この登山道に臨んでみてください。
【1/10】JR河内駅がスタート地点
皆さんこんにちは!you愛sunこうちスタッフです。良い天気にも恵まれた登山日和…楽しんで巡っていきたいと思います!
【2/10】JR河内駅からスタート!線路の高架下をくぐります
河内駅から線路を左手にして進みます。「何か買っていこうかな〜」と思ったら、歩きだして100mくらいの場所にある、Aコープこうち店で買い物を済ませておきましょう。
高架下の通路を抜けた先には早速参拝スポットがあります。こんな場所が河内町には沢山あるので、気になったら探してみて!
【3/10】錦鯉の里
車道を抜けた先に橋があります。その手前に「錦鯉の里」というスポットがあるんですよ。不思議なことに自然とこの場所に鯉たちが集まっています。
皆さん西日本大豪雨を覚えているでしょうか…?あの時、雨が滝のように降って川が増水した時には、さすがに鯉たちも居なくなったのでは…と心配になりました。ですが、気づいたらこの場所に鯉たちが戻ってきていて、非常に驚いた事を覚えています。
【4/10】河内八十八箇所
「八十八箇所」と聞くと…知っている人は「四国にあるお寺巡りの事?」と思いつくかもしれませんね!その通りです!その「四国八十八箇所」にちなんで、河内町の参拝スポットを紹介しているのが「河内八十八箇所」なんです。
もちろんこの登山道の途中にもこの「河内八十八箇所」のいくつかはありますが、見ることが出来るのはその一部です。殆どがこの河内町内に散らばっているので、興味のある方はまた他の機会にチャレンジしてみて下さい!
【5/10】杉森神社
このスポットは河内町でも特に人気のある場所です。地元の人の憩いの場でもあるし、新緑や紅葉を楽しみにやって来る人、あとは野鳥の撮影に来る人もいるんです。
この神社の神主さんはとてもお話上手!話しかけると色々と教えて下さいます。もしお会いできたら声をかけてみると、面白いお話が聞けるかもしれません!
登山の道中で立ち寄る場所として紹介していますが…ここを目的地にしても良いくらい内容の濃い神社です。今回は少しだけ楽しもう・・・というくらいで留めておきましょう!
【6/10】団地を抜けていざ山道へ!
ここから徐々に、傾斜のある道になっていきますよ!
【7/10】自然に触れながら進んでいきます
つつじヶ丘から山へ登る道にはいろんな自然を楽しむことができます。川沿いに少しだけ危ない場所もあるので、よく周りを見ながら歩いてくださいね。
【8/10】トイレあり!ひとまず休憩、あと少しで目的地
途中に竹林寺へ行く方への駐車場があります。山道を登っているとこの駐車場にたどり着きます。ここには公衆トイレがあるので、小休憩する場所として利用できますよ。
【9/10】最後の山道を進みます
公衆トイレで一旦休憩した後、ここから最後の山道を進みます。ここは舗装がされていない山道になっていて、傾斜もこれまでよりも強くなります。
【10/10】目的地へ到着!篁山竹林寺と頂上からの素晴らしい景色
初めて来た方は入口から特別な雰囲気を感じてもらえると思います!
篁山竹林寺は非日常を感じることのできる場所です。この境内でも十分満足できるんですが…せっかく来たなら、ぜひ展望台まで上がってみてください!展望台からの眺めは絶景ですよ!
これで、この登山体験記はおしまいです。どうだったでしょうか?私たちも、改めて登山してみて、河内町の自然や歴史にたっぷり触れられて、その魅力を再発見した思いがあります。道中の杉森神社や河内町八十八箇所にも興味を持っていただけたら、また違う機会にゆっくり楽しんでみてください。河内町に、ぜひまた遊びに来てくださいね!
登山道や河内町内で撮影された写真
登山道中やふもとの河内町内にある様々なスポットで撮影
河内町は、写真が好きな方にとって見逃せない魅力的なスポットが溢れています。篁山の登山道はもちろん、河内町全体がカメラで撮影したくなる「フォトジェニック」な場所が多く点在しています。そのため、登山だけでなくカメラを手にした散策もまた一つの醍醐味です。河内町の豊かな自然や歴史的背景をレンズ越しに覗き見ることで、新たな発見や感動があるはずです。ぜひカメラを片手に、河内町の隠れた美しさを探求してみてください。